暑さ厳しい夏、愛犬の体調や水分補給に心配が尽きない季節ですよね。
そんな時、野菜や果物は強い味方です。特に果物は水分が豊富に含まれており、自然の甘みがあるので、安心して愛犬に与えられるのが嬉しいポイント。
今回のコラムでは、ワンちゃんが食べられる果物やフルーツを使った手作りおやつのアイデア、与える際の注意点からNGな果物まで、幅広くご紹介していきますよ。
日々のごはんに果物をうまく取り入れて、愛犬と暑い夏をおいしく乗り切りましょう!
愛犬に食べさせたい果物12選
果物は水分だけでなく、様々な栄養を蓄えています。ワンちゃんの健康に役立つ果物で、愛犬ごはんをさらに充実させましょう。
いちご
ビタミンCが豊富で激しい運動、加齢などによる酸化ストレスに効果的ないちご。コラーゲン生成も促してくれるため、皮膚や関節の健康を保つのに役立ちます。また、アントシアニンと呼ばれる色素成分があり、目の健康維持に一役買ってくれますよ。
犬にとって有毒であるキシリトールが含まれていますが、大量に食べなければ健康への影響はありません。ちょっとしたおやつとして、適切な量を与えるようにしましょう。
りんご
りんごはクエン酸・リンゴ酸を含んでおり、疲労回復に効果的。結石症の予防としても役立つのも嬉しいですね。
さらに、りんごポリフェノールという強い抗酸化作用を誇る成分を有しており、病気や老化の防止に期待できます。
ワンちゃんの身体の調子を整えてくれる、愛犬家にとっても心強いフルーツです。
キウイ
アクチニジンという消化酵素を持つキウイは、タンパク質の分解が得意で消化吸収を助けてくれる頼れる胃腸のアシスタント。
ビタミン類も豊富で、皮膚や免疫力の強化、老化防止、目の健康に役立ちます。
バナナ
炭水化物・糖質が豊富なバナナはエネルギー源として優秀な果物です。
ビタミン類やポリフェノール、ミネラルなど様々な栄養素がバランスよく含まれているため、エネルギー消費が大きい子犬やカロリー補給が重要な老犬にもおすすめです。
反面、糖質が多く、与えすぎはカロリーオーバーに繋がるため注意。
パイナップル
パイナップルにはクエン酸やビタミンが豊富に含まれており、疲労回復・老化防止に役立ちます。また、ブロメリンという消化酵素を持っていため、消化のサポートもしてくれますよ。
薬膳の世界では夏バテ防止に効果的な果物として重宝されているので、これからの季節にぴったりですね。
みかん・オレンジ
みかんやオレンジはビタミンCが豊富で、粘膜の強化やストレス軽減、免疫力アップ、コラーゲン生成の促進など、様々な効能が期待できます。ペクチンという腸内環境を整える食物繊維を含んでおり、便秘気味のワンちゃんにも◎。
そのほか、みかんは骨粗鬆症・がん予防に効果があるβ-クリプトキサンチンを有しているなど、注目ポイントが多い果物です。
スイカ
スイカで注目したいのは、なんといってもその水分量!全体の訳90%が水分でできているので、夏の水分補給にうってつけです。
また、実は様々な栄養素を含んでいるのも特長。βカロテンやカリウムのほか、血流を良くして心機能を助けてくれるシトルリン、優れた抗酸化作用を持つリコピンがトマトの1.5倍の含有量を誇るなど、ワンちゃんにも嬉しい栄養素をたくさん持っています。
ナシ
スイカ同様、ほとんどが水分で構成されているナシは、夏バテ防止・脱水予防のおやつとしておすすめです。
肝臓の代謝を促すアスパラギン酸は、利尿作用や疲労回復に効果的。このほかタンパク質を分解するプロテアーゼも含まれているので、整腸作用にも期待ができます。
さくらんぼ
アントシアニンやβカロテンなど、抗酸化作用が豊富なさくらんぼ。老化防止や動脈硬化の予防、免疫力アップなどの効果が期待できます。
食べすぎは下痢や肥満の原因になるため少量をおやつ程度に与えること、茎や種には「アミグダリン」という青酸カリと同様の成分を持つ中毒物質が含まれているため、愛犬に絶対に与えないよう注意が必要です。
桃
桃にはカテキン、ビタミンCやビタミンEなど、強い抗酸化作用を誇る成分が豊富に含まれており、アンチエイジングや病気の予防、免疫力の向上に役立ちます。
さくらんぼ同様バラ科の果物で、種にはアミグダリンが含まれるので愛犬が食べないよう注意。稀にアレルギー症状が出ることがあるため、少量ずつ与えて様子を見るのが無難です。
ベリー類
スーパーフードとして注目を集めるベリー類は、犬にとっても健康に役立つものが多数。
ブルーベリーは目の健康や若さの維持、クランベリーは免疫力アップのほか、結石症の予防に効果的です。ストレスの耐性を高めてくれるラズベリー、血液をサラサラにしてくれるブラックベリー、アンチエイジングや動脈硬化予防に役立つアセロラなど、種類によって効果が変わってくるので、愛犬に合ったものを与えるといいでしょう。
びわ
様々な薬効があり、漢方でも重宝されることが多いびわ。栄養素も豊富で、愛犬に与える果物としてはいいチョイスです。
鉄分やβカロテンなど、免疫力・健康維持に効果的な成分が含まれているほか、がん予防が期待できるβ-クリプトキサンチン、肥満防止や疲労回復などに役立つクロロゲン酸を有しているのが特長。
ただし、葉や種にはアミグダリンが含まれているため要注意です。
要注意!犬にとって危険な果物とは?
果物や野菜は愛犬のヘルシーな食生活を助けてくれる反面、うっかり食べてしまうと中毒や重篤な症状を引き起こす危険性を孕んだものも。
代表的な“ワンちゃんNG”の果物をチェックしておきましょう。
ぶどう
ぶどうは犬にとって、絶対に食べてはいけない食材のひとつ。
摂取量に関係なく急性腎不全を引き起こす可能性があり、最悪の場合死に至ることも。
万が一口にしてしまった場合は、速やかに病院に相談してください。
イチジク
イチジクには「ソラレン」「フィシン」という成分が含まれており、これらの成分が中毒症状を引き起こす危険性を含んでいます。
中毒になった場合、胃腸や口腔内に炎症が起こり、口内炎やよだれ、嘔吐下痢などの症状が多く見られます。
プルーン
栄養価が高いことで有名なプルーンですが、愛犬には絶対に食べさせないよう注意しましょう。
カリウムを多く含むプルーンは高カリウム血症を引き起こす危険性が高いほか、葉や種、茎などには中毒成分・アミグダリンが含まれています。
特に乾燥をさせて成分を凝縮させたドライフルーツは、より毒性が高まるのでNG。
柑橘類の皮
柑橘類の身自体は犬が食べられる種類も多いですが、外皮に関しては注意が必要。中毒症状が出る可能性がある「ソラレン」を含んでいるため、愛犬には必ず皮を剥いて与えるようにしましょう。
ちなみに、グレープフルーツやスィーティーといった果物は薬の分解を遅らせ、効き目を強めてしまう危険性が。頓服中のワンちゃんは、特に摂取しないよう気をつけたいところです。
ドライフルーツ
人間用に販売されているドライフルーツは砂糖や添加物が使用されているものが多いため、ワンちゃんには与えないようにしましょう。
特にミックスタイプのものは、レーズンなど、犬にとって危険なフルーツが入っていることも。果物は乾燥させることにより成分が凝縮され、その分毒性も強くなるため、誤って口にしないようくれぐれも注意してください。
愛犬も喜ぶ、果物を使った手作りおやつアイデア
果物をそのまま食べるのもいいですが、フルーツの自然由来の甘みや風味を活かせば、簡単に手作りおやつを作ることができます。
ここでは、果物を使った簡単な手作りおやつアイデアをご紹介していきます。
無添加が嬉しい、自家製ドライフルーツ
先ほどNGの果物としてご紹介したドライフルーツですが、自家製となれば話は別です。
ワンちゃんが食べられる果物なら、無添加で安全なドライフルーツを電子レンジやオーブンで手軽に作れますよ。均一な厚みにカットし、様子を見ながら加熱し冷やせば、ちょっとした手作りおやつが完成です。
果物や野菜に含まれる酵素を効率よく摂りたいなら、酵素を壊さない低温乾燥が叶うドライフード機もおすすめ。
夏バテ時にもおすすめ。さっぱりフルーツヨーグルトアイス
無糖のプレーンヨーグルトとお好みのフルーツを混ぜて凍らせれば、夏に嬉しいヨーグルトアイスのできあがり。ヨーグルトと混ぜる際に果物を少し潰して果汁を加えると、果物の自然な甘みが全体に行き渡るので、ワンちゃんの食いつきがアップすること間違いなし。
暑い季節に作りたい、愛犬をいたわるヘルシーなおやつです。
つるりと食べられるフルーツゼリー
食欲も落ちがちな夏には、つるりとした喉越しが楽しめるフルーツゼリーもおすすめ。
お好みの果物を細かく刻み、寒天を溶かした水と合わせて型に注いで冷やせばOK。そこにヤギミルクと寒天とぬるま湯を沸騰させたものを注ぎ、しっかり冷やして固めれば、見た目も栄養価もバッチリな二層のゼリーになりますよ。
愛犬に果物を与える際の注意点もチェック
愛犬の健康に役立ってくれる多くの果物ですが、与える際には注意したいことも。
注意点をしっかり押さえて安全にフルーツを楽しみましょう。
まずは少量から始めよう
犬の健康に役立つ果物が多い一方で、ワンちゃんによっては体質に合わないものも。
たとえば余計な塩分を体外に排出してくれるカリウムを含んでいる果物は多いですが、腎臓系の疾患を持っている子には不向き。βカロテンは摂取しすぎるとビタミン過剰症の危険があったり、なかには特定の果物を食べたことでアレルギーを発症するワンちゃんも。
初めて食べる果物はまずは少量ずつ、愛犬の様子を観察しながら与えるのが安全です。
果物や野菜を与えるなら皮、芯、種などに注意
本コラムでも何度か触れていますが、野菜や果物の皮・芯・種には中毒成分が含まれていることが多いため、基本的には与えないよう注意しましょう。
また、種を誤って飲み込んでしまうと、腸閉塞を引き起こして重篤な症状が出る危険性も。
腸閉塞、中毒反応は出るまでにタイムラグがある場合もあるため、飲み込んでしまった場合は初期症状を待たず、すぐに病院にかかることが重要です。
あくまでおやつ、ごはんのトッピングとして
いくら健康にいいからといって、与えすぎは禁物。
そもそも果物は全般糖質が高いため肥満の原因になったり、主食であるドッグフードの食べムラに繋がる可能性があります。たとえワンちゃんの健康に良い果物の栄養素であっても、過剰摂取は毒になることも少なくありません。
果物はあくまで特別なおやつ、普段のごはんのトッピングとして、適切な量を与えるよう意識しましょう。
おわりに
甘くてみずみずしい果物を喜ぶワンちゃんは多いはず。
ぜひ美味しく健康的な果物・野菜を上手に日常ごはんに取り入れて、愛犬とより充実した食生活を目指してみてくださいね。